コロナ禍に生まれた高級鮨業態はどの店舗も大将が代わり
新しい大将の基、次世代の可能性へチャレンジするフェーズとなりました。
その上で今回は江戸前鮨には欠かせない魚・器(焼物)・酒に触れるために
新大将を連れて佐賀に産地視察をしてきました。
佐賀県 串浦漁港

1.大将×漁師
AM5:00 自ら漁船に乗り込み揺れる波の中必死で定置網を巻き上げる。
この日は波は大荒れ、船酔いするメンバーも。。。。
一歩間違えれば船から落ちるという、まさに命懸けの瞬間。
”船の上から料理は始まっている”を体現する命のスタートラインはここから。
内臓の臭みや磯の香りが強く評価としては決して高くないアイゴ(別名バリ)ですが、
そこは漁師の小田さん・まーくんコンビが一匹一匹丁寧に血抜き・神経締めを行うことで
ハンディーギャップが逆に一転し旨味に。
石鯛×かわはぎを足して割ったような食感は高級魚に劣らない一貫に。
2.殻付きウニの解体
この時期旬を迎える黒ウニ(ムラサキウニ)を300個剥いても塩ウニとして
出来るのは30瓶いかないとか、、、
3.旨い魚がある港には必ず猫の姿が
土地の味わいを生かす唐津焼き

1.陶芸作家 三藤るいと鮨の出会い
鮨はネタやシャリ、季節感ある逸品が主役である一方、
器はその魅力や輪郭を最大限引き立てるべき存在ですが、
三藤さんの唐津焼には土の温もりや手仕事の表情がありながらもどこか繊細さがあり、
鮨や日本酒との相性の良さを感じたところ。
また、力強さや豪快さを表現する作家も多い中、三藤さんの作品は柔らかな余白と上品さが
特徴的で、料理を受け止める懐の深さがあります。
実際に手に取ることで、鮨店で使いたいと思った理由を強く実感しました。
2.全工程を一人で行う気骨さ
焼物は土(石)づくりから焼成まで多くの工程を経て生まれます。
よそでは生産型重視で完全分業制を敷いている窯が常態化されている中、
三藤さんは全工程を一人で行うという器に最も向き合っている陶芸作家のひとり。
1000度を超える釜での一人作業は特に夏場は生命の危険を感じるとか。。。
磁器とは違い派手さや突き抜けたデザインではなく素材を引き立てる美しさがあり、
料理との伴走を目指したぬくもりが鮨との可能性を無限に広げてくれます。
3.この子を育ててください
陶器は土で出来ている為、水分を吸収するとの事。
そのため中に入れる物によって色合いや手触りがよくも悪くも変化するので
この子はまだ未完成なのです、と。
確かにバトンをもらいました。
古伊万里酒造

料理に寄り添う酒を醸す古伊万里酒造
日本を代表する焼物文化の玄関口でもある伊万里で見つけた酒との出会い。
今回訪問した古伊万里酒造は地元伊万里の米と水を活かしながら、
“料理と一緒に楽しむ酒”を大切にしている蔵元でした。
特に印象的だったのは、香りや味わいを必要以上に主張せず、食事に自然と寄り添う酒質です。
実際に試飲すると、鮨の繊細な旨味や赤酢の酸味を邪魔することなく、
後味をすっきりとまとめてくれる印象を受けました。
派手さではなく料理を引き立てることを重視した酒造りは、鮨業態との親和性が高く、
ペアリングの可能性を強く感じる蔵元でした。
1. フルーティーさを競うのではなく食中酒に特化
2. 米の旨味をしっかり残しながら後口は軽快
3. 地元佐賀の食材との相性を重視
4. 「前(さき)」シリーズなど料理人との対話を意識した酒造り
5. 魚介の旨味を邪魔しないバランス設計
是非是非これらの矜持を体験しに
『鮨 つぐみ』 『鮨 無何有』 『鮨 若尊』
ご堪能ください!